円の価値が資産価値を決めている円安と円高で国民の資産価値は大きく変わる
『円安』『円高』は私たちにとってどちらがいいのか
『円安』『円高』と日常耳にする機会もあるかと思いますが私たち国民にとってはどちらがいいのでしょう?
まずは円安・円高の基本をおさらいしましょう。
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円安とか円高とは「1ドルが何円で買えるのか」を示す為替レートに
対し、円がドルに比べ安くなったか、高くなったかを意味する言葉と
なります。仮に1ドルが100円だった場合、1ドル買うには100円が必
要という事に対して、1ドルが105円のレートなら、ドルの方が高いた
め「円安」、1ドル95円であればドルの方が安いため「円高」と呼ば
れます。円安、円高を知ることが、将来の資産形成を築くために必要
となりますので、必ず把握しておきましょう。
“輸入品は贅沢品”は円安が関係していた
かつての日本は、1970年までは1ドル360円の固定レート制でした。現代の1ドル100円前後の額からみればとんでもない円安と言えます。今よりもドルが4倍近くも高く輸入品は大変高価なものでした。具体的にはバーキンのバッグは250万円、ベンツ5000万円、ロールスロイスが2億円などです。 昭和の時代、“輸入品は贅沢品”と言われていましたが、そこには円安が関係していたのです。
輸入に関係のあるもの全て4倍以上!!
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- 輸入食品
- かつてはバナナも
滅多に食べられない
高級果物だった。
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- 海外旅行
- 海外なんて高くて
行けない…。新婚
旅行は“熱海”へ。
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- 家電品
- 原材料を輸入品に
頼っていたので、
製品価格が高騰。
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- ガソリン
- ガソリンが輸入品
であった為、車も
当時は贅沢品。
物価が上がれば支出も増える…
物価と円の価値の差を示すインフレ・デフレという言葉があります。円安になると、経済はインフレとなり物価が上がる為、消費支出が増えます。支出が増えるということは、つまりあなたの資産も支出が増える分だけ減ってしまいます。そして、円が安くなるという事は、円の価値が下がるという事になります。額は変わらなくても支出は増えるため、円の価値が下がっていると言えるからです。 もしも、あなたが円建ての資産しか持っていないのならば、円安はあなたにとって大変な事となります。
円安はあなたの円資産を減らしてしまうのです
円高の恩恵で日本国民の暮らしは豊かになれた
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1973年から変動相場制に完全移行となり、ドルは360円から300円
へ、そして300円から200円台へ、そして今日では100円台と緩やか
に長期的な円高が続いてきました。円高になると今度はデフレとな
り物価は下がる為、消費支出は減ります。普通のサラリーマンや学
生も海外旅行へ行けるようになり、食品や原材料を輸入品に頼る家
電品なども安く買えるようになりました。円高は消費者にとっては
暮らしの面でも資産の面でも有利な状況とも言えます。
物価が下がれば貯蓄が出来る
円高は物価が安くなることで生活費が少なくて済むようになり、消費支出も減ります。支出が減れば、余ったお金を貯蓄に回しやすくなるので、個人の資産は増えていきます。
日本では長期のデフレによって、「デフレ=悪」というイメージがありますが、デフレにより物価を下げる円高は「資産」を持っている国民や、「資産」を増やしたいと考えている国民にとっては望ましい事となります。
資産を形成したり増やすという面においては『円高』は味方になります
円安でもあなたの大切な資産を残すことはできる
円安になると資産は減ってしまうと前述しましたが、必ずしも円安で資産が減ってしまうわけではありません。捉え方や行動次第では、円安でも資産を残していく事が可能です。
- 資産を守り残していくにはどうしていくべきか
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資産を減らさず守るための方法として、円安の場合、ドルなどの外貨の価値は上がっているため、外貨資産を保有していれば、資産が減ることはありません。 円高の場合では、円の価値が高いため円資産を軸に保有し、リスク分散での外貨も保有を行います。どちらにせよ、円も外貨も合わせて持つのが一番ですが、特定の通貨に偏って資産を形成すると、その国の通貨リスクを背負うことにもなる為、なるべく分散させバランスよく持つことが大切です。
- 円安の時でも大事な資産を減らさない方法
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- 資産の一部を円以外のドルなどの外貨で持つ
- 資産のすべてを変換せずに円資産も残す
- 偏って持たずにバランス良く保有する
資産価値の変化を理解して賢く堅実に資産を残していきましょう